今回は絵具をキャンバスに垂らすだけでなく、ドライヤーの風で絵具を流したり、ガスバーナーを使って急激に温度を上げ”シリコンオイル”を含んだ絵具の反応でセルを発生させたりする方法をご紹介します。
記事では詳細に記入しておりますが、実際の作業風景をご覧になりたい方は是非動画もご覧下さい。
下地塗り
今回はキャンバスの目が出るのを避ける為に下地にジェッソを塗りました。
使用したジェッソは”LL(荒粒子)”で、最終的な仕上げ面をザラザラにする事で本来のテカテカな状態ではなく、マットな質感になるよう”LL(荒粒子)”を選んでみました。
アクリリックフルイドアートに関しての下地塗りについては、基本的にはジェッソを使う事が多いようですが、私としては本来のキャンバス地より絵具の滑りが良くなっていると感じるので別にアクリル絵具を使用しても問題ないかと思います。更に、下地を完全に乾かした状態であっても本来のキャンバス地より滑りは良いのですが、今回のように質感を重視する場合などは特に乾ききる必要もないと判断したのでこのまま次の絵具を垂らしております。
色の選択
今回使用した色は・ホワイト・赤系(ローズレッド)・青系(水色に近い色)・パープル(柔らかめ)です。
アクリリックフルイドアートに関しては慣れるまで基本的に”原色は避けた方が良い”でしょう。理由は単純に形ではなく配色が勝負所といった部分が多く、原色同士はぶつかり合うので結果的に目がチカチカする。という風になりやすいからです。
配色に関しては直感も素敵ですが、慣れない間は配色ブックなどを参考にされても良いかも知れませんね。また近いうちにそちらを紹介する記事も作ろうと思います。
配合
基本的な配合はこちらです。
絵具 メディウム 水
2 : 2 : 1
メディウムとはポーリングメディウムの事ですね。
必要な材料や専門道具はこちらにまとめているので「ポーリングメディウム?」と思った方はまずこちらをご覧下さい。
記事 必要な道具。
ここで、今回の要となる”シリコーンオイル”の登場です。
今回の大きな題材「セル」を発生させるのにオススメなのが、この“シリコーンオイル”です。
オイルなので油製品なら料理の時に使うサラダ油や、ヘアオイルなどでも代用可能なようですが、私自身色々試してみた結果最も反応が強く、作品の割れや劣化などの状態維持にも1番適していると思ったのがこちらの“純度100%のシリコーンオイル”です。
純度100%というのが肝ですね!
こちらのオイルを絵具に2〜3滴入れる事で周りの水分と反応して独特な模様を発生させる事ができます。
特にドライヤーやガスバーナーなどの熱に対しても反応が早く、すぐにセルを発生する事ができます。
今回は全ての絵具に2滴ずつ入れてみました。
どれだけ反応するのか楽しみです!
実際に垂らしてみよう!
垂らし方にも様々なやり方があり、基本的には別々の容器に作った色同士を混ざらないように1つの容器に移してまとめて垂らす事が多いようですが、今回は別々に垂らしていこうと思います。
まずはホワイトから
絵描きの世界では弱い色から塗り始めるんだ!とか強い色が先だ!とか色々あるようですが、
特にそんなルールは御座いません。
強いていうなら、セルが浮かび上がった時にどの色が基調として発生して欲しいか。といった所ですが、どのように発生するかをコントロールするのは大変難しいのであまり考える必要はないでしょう!
ホワイトの次は青系をいきました。
もう少しダイナミックにいけばよかったかな、笑
次に赤系(ローズレッド)ただ垂らすのではなく、マドラーで少しだけ跳ねさせてみました。
青系、赤系ともに少々真ん中に寄りすぎたため、パープルを端から流してみました。
できたと思ったらこんな所に隙間が!!なんていうのが1番最悪な事態なので少し調整するのも大切ですね!
ドライヤーの風の力で模様を作る
基本的には絵具を垂らした後にはキャンバスを傾けて満遍なく絵具を流していくのですが、今回はドライヤーの強風で激し目の模様を作ってみようと思います。
これもただキャンバスを傾けるだけではできない独特な模様が得られるので一度試してみて下さい!
絵具を流しきったら全体に流れるようにキャンバスを傾けていきます。
この時重要なのはキャンバスを回しながら全体均一に絵具を運ぶ事です。
この画像の中央の感じがドライヤーならではの模様となっております。
バーナーで炙ってセルを作ろう!
最終仕上げです。バーナーで絵具を炙ってみましょう!
キャンバス内の要所要所にポツポツができているのがわかりますかね。これがセルです。
最終このセルがこのようになります。↓
全ての絵具に2滴ずついれた結果、結構小さめのセルが数多くでたような感じになりました。
今回は最後に仕上げの加工したのでご紹介します。
作品に装飾しよう。
今回はラメ(glitter)を絵具が乾ききる前に施してみました。
もし、同じようにグリッターやラメなどの装飾を考えてる方は絵具が乾いてしまう前にふりかける事をおすすめします。
乾いた後にバーニッシュスプレーや、ノリ、ボンドなどで取り付けるとせっかくの作品の見栄えを損なうかも知れません。
こうして今回できあがった作品はこちらです。
完成品
最初に塗ったジェッソLL(荒粒子)の質感もなかなか良い味をだしており、中々良い作品になったと思います。
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